リフターコラム

俺はグレート♪ 第2部/再挑戦の誓い

90キロ級世界男子パワーリフティング選手権第2位/3回(84年、85年、87年)日本介護スポーツ研究所  代表 前田都喜春


※タンパク質を摂るとき、同時に取るべき総エネルギーが少ないとアミノ酸を分解して糖分を確保する緊急的な代謝、すなわち、体タンパクの崩壊が起こる。・・・これを糖新生という。
この解決策は「高エネルギー食が窒素平衡の維持に有効で、飢餓時の体タンパクの異化は糖質100%を与えると半減する。」・・・これを『糖質のタンパク節約作用』という。つまり、タンパク質を摂るときは、必ず、糖質の供給が前提になることが分かる。
※前述のように、脳細胞は毎日90gのブドウ糖が必要だから、糖質不足になると緊急指令により糖新生が起こる。つまり、体タンパクの崩壊から窒素平衡が崩壊し、窒素の移動が起こり、その窒素処理において長時間の過大なる代謝系が生まれ、内臓がフル稼働するため脂肪を分解してケトン体を動員する。この結果、大量の酸COを血中に放出して血中CO濃度が変動し、ミネラル恒常性が崩壊して代謝が低下し、肝と一般細胞の疲労が始まる悪循環となる。

 

 ⑤.次に「タンパク質の必要量」については下記の研究事例を紹介しておこう。

最近の研究*では、タンパク質を体重1kg当たり0.86g摂るよりも1.4gの方がタンパク質合成はよくなり、筋肉量を増やすことができる。しかしながら、2.4gに増やしてもタンパク質合成は変わらない。逆に、摂り過ぎると余分なタンパク質を処理するために有毒なアンモニアが大量に作られ、肝臓や腎臓の障害を起こし易くなる。腎臓が悪くなるとタンパク質を制限するのはこのためである。だから、タンパク質の摂り過ぎは要注意だと警告する。
(*湯浅景元;中京大学体育学部教授、中日スポーツ、2005.6)

 事例1;毎日きちんと3食をとり、プロテインを月に「5kg」摂っている体重110kgのケースでは、体重1kg当たり2.9gのタンパク質というデーターがある。

 事例2;アミノ酸を月に「1.5kg」摂っている体重125kgのケースでは、プロテインの4倍がアミノ酸だというから、1.5*4=6kgの量的摂取となり、体重1kg当たり2.8gのタンパク質というデーターになる。・・・ともに過大な量だと分かるであろう。

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