リフターコラム

俺はグレート♪ 第2部/再挑戦の誓い

90キロ級世界男子パワーリフティング選手権第2位/3回(84年、85年、87年)日本介護スポーツ研究所  代表 前田都喜春


(5) 生体の回復原理を支える諸条件(まとめ)

①.運動すると、安静時の20倍の血液循環が起こる。これを吻合(ふんごう)という・・・。
運動が始まり筋肉を動かすと酸素欠乏を起こさないように、肺の呼吸で酸素を取り込んで毛細血管は開いて血液を流し始める。毛細血管は太く丈夫になり、血液の流れを取り戻すため、運動することで血流を促進し毛細血管は存続機能としての役割を果たして、末梢血管を蘇生させ、回復機能を増大させる。心臓の筋肉や脳細胞も同じ原理だ・・・。

②.生体は弱アルカリ性
(PH=6.8~7.6)で守られている。

③.毎日の食事から酸とアルカリが量的不均衡で導入され、圧倒的に酸が多いため血清中のCa濃度は常に変動する。それ故に、生体は常にバランスを保とうとする。

④.その基準;運動により
「筋肥大=骨化」の環境は同意であり。甲状腺から出るホルモンバランスにより自律調整が始まる。その基準は、血中のCa濃度は常に一定というリン酸代謝(P/Ca=一定)によりミネラル恒常性が正常に保たれ、代謝が促進する。

⑤.骨形成では
P/Ca=0.5~2の範囲において、大量の酸と少量のアルカリを消費して骨化を促進する。故に、酸の溶解平衡が促進して尿酸が低下し、疲労回復する。

⑥.その骨化に際して、ある実験では重力は7%の効果があるのに対して有酸素運動は2%の微弱効果だったというデーターがある。・・・重力の必要性と重要性を明らかにする。

⑦.骨化に際して、Caとクエン酸を同時に摂ると消化・吸収をよくして骨化は30%増量する。これにより、尿酸の大幅な低下と回復力の増大が生まれる。酢・レモン・梅干し・オレンジジュースなどは、回復力を増進する宝庫となろう。

⑧.乳酸の消去;運動と乳酸の関係について
筋肉を連続で動かしていくと酸素欠乏が極致に達して、もうこれ以上は動かないという最高状態で筋肉内に乳酸を発生する。すると、脳細胞は緊急指令を出して酸素を取り込む循環作用が始まる・・・。
つまり、筋肉内に乳酸が蓄積してくると、脳細胞の意思で呼吸を早め、ハァ~、ハァ~と酸素を多く取り入れる。この乳酸は酸素欠乏により生ずるから、酸素を与えるとその5分の4はエネルギー源のグリコーゲンに戻り、5分の1は炭酸と水となって消える。
乳酸は運動から生ずる一過性のものであり、また、呼吸を早めることで解決するため、医学的に見て疲労物資とは言わない。・・・疲労や回復力に影響することはあり得ない。

 

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