リフターコラム

俺はグレート♪ 伝説論/第1部

90キロ級世界男子パワーリフティング選手権第2位/3回(84年、85年、87年)日本介護スポーツ研究所  代表 前田都喜春


酒に溺れて

※今まで好きな時に、好きなように飲んでいた『酒』が爆発し、肝臓を痛め、腎臓を壊して、”廃車”寸前となった。
※それ以前にも、背筋下部(右側)に「紫のあざ」が浮き出て練習では右のわき腹を痛めていたが、この「紫あざ」が腎臓を傷めた警戒信号だったのである。・・・気がつくのが遅い。
粗悪な暴飲・暴食により肝臓と腎臓は同じように疲労していくが、腎臓のほうがストレスに弱いので、腎臓疲労のほうが先に起こる。この結果、腎臓が腫れて背筋下部に異変が来していた。
階段を10段ぐらい昇ると血液循環しなくなり、足がまったく動かない状態になっていたが分からなかった。しかし、酒に卑しいとこの症状に遭遇しても「酒」をやめようとしなかった。
酒の質を変えようとした。・・・これが後年、酒とアルカリの問題に取り組むきっかけとなり1つの不幸は、1つの幸せを呼んだと言える。
※幸運の語り部より;酸とアルカリの問題から酸性は体に良くない、アルカリ性は体の負担を少ないと考え、肝臓・腎臓の負担を掛けないアルカリ主体の食事と酒(焼酎)に切り替えて体質改善に専念したところ、腎臓疲労は3ヶ月で回復することができた。
※酸とアルカリの重要度を研究して、ヒトの体は弱アルカリ性で守られていること。酸性体質では疲労物質=尿酸が体外へ多く排出される。これを酸性圧力過(アシドーシス)という。
※アシドーシスになると細胞の代謝が低下し、筋疲労が起こり、だるくなる。たんぱく質を過剰摂取するケースでは体内の酸が多くなり、尿酸を多く発生して酸血症となり、長期になると腎臓破壊から人工透析を発症するケースもあったり、腎臓を1つ切り取ったケースもある。
筆者は酒に溺れ肝臓と腎臓に破壊を受けて、人生のピークを40歳で経験した。当然の如く記録はここで打ち止めになった。肝臓は丈夫だが、腎臓はストレスに弱くそれを許さなかった。酒に溺れ酒で棺桶に足を突っ込むまで経験しながら、その酒で教えられた人生も確かなことであり、体質改善をしながら、62歳の現在まで健康的維持をして這い上がってきた。
さて、ヒトの体は弱アルカリ性で守られているが、毎日の食事によって酸とアルカリは量的不均衡で導入され、血中Ca濃度は常に変動するため、一定の基準を守るように自立調整されている。ヒトの体は食事によって血液濃度(PH)は変動しないという自律機構(ホメオスターシス)からPH=7.4の一定値で守られている。・・・ヒトは0.4だけアルカリ側にいる。
しかし、血中Ca濃度は常に変動するため、生きる作用と体の守るべき精密な自律機構からその基準を逸脱するとき、老化・衰退化の背反原理を生むことになる。


アシドーシスは最大の危機であり、生活習慣病の経路ができる。例えば、たんぱく質の過剰では尿酸が多くなり、ミネラル恒常性が崩壊して腎臓を破壊されたり、ドクターストップになったことを意味する。その延長には生活習慣病という老化・衰退化の背反原理が身を滅ぼしていく現実が待機している。
経験という幾つもの修羅場を積むことはできるが、それ故に食の質を切り替え、体質改善を実行し、ミネラル恒常性を守ることが生活の回復力につながる。ノン・サプリの原理は回復系で、サプリメントは疲労系のを維持であるからアシドーシスに陥り病気になるが、それをやめれば病気は回復する。禁止薬物は破壊系だから内蔵が破壊して死に直面する。再開した60歳代のパワーリフターが蘇生した理由は、回復系のノン・サプリを志向した産物に由来しよう。

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