管理人コラム(2015年3月5日)

クラウドファンディングとパワーリフティング

パワーリフティングの遠征費は基本的に選手自身の負担となっており、特に国際大会の費用は選手にとって悩みのタネになっています。
今回は、こういった遠征費用の調達方法として海外で急速に普及しているクラウドファンディングという方法をご紹介します。

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の出資者から資金を集め必要とする人に提供する仕組みのことで、昨今アマチュアスポーツ選手の資金調達の方法としても急速に発展している分野です。(詳しい部分はインターネット上の特集記事等を参考にしてみて下さい。)
最近海外のIPFに所属するパワーリフターの間ではこのクラウドファンディングの利用者が増えており、例えばアメリカの『gofundme』というクラウドファンディングサイトで、2014年6月に南アフリカで開催された世界クラシックに出場した選手を検索すると、このサイトだけでも下記のように非常に多くの選手が利用している事がわかります。


アメリカ代表
Ray Williams選手
Bonica Lough選手
Garrett Bottesy Bailey選手
Alicia Webb選手
Marisa Inda選手
Ashlee Alteri選手
Malee Alyssa選手
Ls Mcclain選手
Meghan K Pellatt選手
Nathan B. Zephir選手
Stephanie Mahan選手
Lowenberg Kelli選手
Lowenberg Ella選手
Ewa Januszk選手

イギリス代表
Jo Whiteley選手

オーストラリア代表
Cameron McKenzie選手
Liz Craven選手
Tiarne Louise Augustine選手
Jordan Dayes選手
John Paul Cauchi選手
Tang Andrew選手
Navarro Tamara選手

カナダ代表
Kojo Gyennin選手

一つの大会一つのサイトに限定してもこれだけの選手がクラウドファンディングサイトに登録しており、海外では既に遠征費を調達する方法としてポピュラーなものになっている事がわかります。
また、世界各国でこれだけ多くの選手が既に利用している現状で、クラウドファンディングがIPFのアマチュア規定に違反しているという事はないと考えられます。
国内でも近年はスポーツ選手向けのクラウドファンディングサイトが増えており、今後アマチュアスポーツ選手にとって有効な資金調達方法の方法としての発展していく可能性があります。


ただし、JPAには以下のような規程があり、クラウドファンディングへの登録を行う場合は必ずフェアプレイ委員会への届け出が必要になります。 その後許可を得られるかどうかは協会の判断になります。

> 第5条(競技者の商行為に関する届け出義務)
> 2 競技者は、次の各号の定めるいずれかの事項に該当する場合、活動内容をフェアプレイ
> 委員会に届け出しなければならない。ただし、教育委員会、体育協会等の自治体又は
> 公的機関が主催、後援又は協賛する場合の活動については、この限りではない。
> (1)対価を得るために自己の名前、写真、実績等を宣伝材料として自ら使用又は  
> 第三者に使用させること
> (2)パワーリフティング競技に関わっていることを理由にして、内容や額の如何を
> 問わず物質的・金銭的報酬を得ること


日本のパワーリフティング界で今後クラウドファンディングが広まり定着するかどうかはまだわかりませんが、スポーツ選手の一つの資金調達方法として可能性のある分野だというのは間違いないと思います。
興味のある選手は必ずJPAに届け出を出して許可を貰った上でチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか(・∀・)



2015年3月15日追記
JPAホームページの平成26年度第3回理事会報告書&議事録にクラウドファンディングに関する協会の方針が記載されていました。

==以下転載==

>□財源確保に関し、クラウドファンディングについては不透明な点もあり、より慎重な対応が必要ではないか。
>⇒導入ありきで検討するものではなく、導入が可能かどうか、その必要性があるかどう かを含めて検討する。担当委員会で専門機関から必要な情報を得ながら進める。

==以上転載==

との事ですのでJPA所属選手のクラウドファンディング利用についてはいずれ協会の判断が下るものと思われます。

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